太陽と月と花火と

不確かな記憶の中に生きている

猫のはなし

猫が好きだ。大好きだ。とても可愛い。

 

元々こんなにも猫は好きではなかった。

動物は好きで、猫も犬などの他の動物と同じくらいの、好きだった。

 

なぜこんなにも猫が好きになってしまったのかというと、ある子猫を引き取ってしまったからだった。

当時、生き物を飼いたい気持ちが強く、それは猫じゃなくてもよかったのだけれど、音楽仲間の一人が、家の庭に住み着いた猫が出産をして引き取りてを探していたし、その時付き合っていた人が猫の世話をしたことがあると、とても頼もしい発言をしていたからで。

 

 

5月か6月の頃だったと思う。

夏の本番はまだ来ていなかったが、ちょいちょい暑くなる日が多かった。

黒い子猫が外に出ないようにと窓は閉め切っていたから、それは大変暑くなる日もあった。

職場にいても暑いと感じる日なんて、居ても立っても居られなくて、定時ダッシュを決めて、駅まで走ってモノレールに乗って、家まで走った。

これは仕事どころじゃなくなるぞ、と思い、その日でクーラーを買いに行った。黒猫はとても可愛かった。

 

 

引き取ったその子猫は、危うくひじきという名前になりそうだったが友達の提案でホルモン系の名前になった。大丈夫、かわいい響きだから。

 

トイレもすぐに覚えてくれて、あまり鳴かない良い子だった。

ただよく噛む。

 

調べてみたら、一人っ子で育つ猫というのは、子猫時代にじゃれあって覚える噛むときの力の程度を知らずに育ってしまい、甘噛みがわからなくなってしまうそうで。だからなのね。って思った。

 

おもちゃも容易に手に入りやすいものから一通り買ってみたけれど、2,3日したら飽きてしまっていた。

そして、帰りを今か今かと待っている姿はとても可哀想に見えた。

 

噛み癖のためにも、寂しくないためにも。と今度は、里親募集のところから黒猫と同じくらいの大きさの子猫を引き取った。2匹目だ。

 

二人は、すぐに仲良くなった。

もちろん最初は、お互いに警戒しまくっていたけれど、割とすぐに仲良くなった。小さいうちは、猫も仲良くなりやすいんじゃないだろうか。

2匹目の猫は、長毛のしましま君だった。よく鳴き、甘えん坊だった。

 

 

そこから3匹目と4匹目がやってきた。

3匹目は、付き合っていた人の家にネグレクトされているということで、勝手に連れてこられた。もしかしたら勝手にじゃなかったかもしれないけど。

白くて青い目をした女の子だった。

 

 

4匹目は、まだ生まれて1,2週間くらいの大きさで、目ヤニか何かで目がちゃんと開いておらず、相当な高さから落ちそうなところをとりあえず助けた。

もうさすがに無理だからと置いて帰ろうとしたところ、弱っていたはずなのにめちゃくちゃでかい声で鳴いて引き留められた。

白と黒のハチワレ君で、かなり逞しくなった。爪も他の3匹よりも太く大きかった。筋肉もぱっつんぱっつん。

 

 

5,6か月で子猫の面影はなくなりそれぞれ猫らしいっちゃ猫らしく自由気ままに生活していた。調べてみると猫は横よりも縦に広いほうが嬉しいらしいとのことで、キャットタワーも買った。

 

 

いつから好きになったのかというと、きっと黒猫を引き取って一晩を過ごした時からなんだと思う。さらに増えた3匹の猫たちと過ごしていくと自然と猫バカになっていたんだと思う。

 

 

今は、いろいろあって、それぞれ別々の人に引き取ってもらった。

 

黒猫の方は、SNSや音楽関係でつながりのある人のところにいるので今年中に会いに行きたいと思っている。どうやら洋式トイレで用を足すらしい。いつも隙あらば覗かれてたのは、趣味とかじゃなくて勉強してたのね、きっと。

 

 

少し奥に仕舞いこんでいたものを取り出すと、大事にしていたこととかを思い出すね。

 

 

今度、友達に会ったら教えてあげようと思う。

忘れているんじゃなくて、忘れている気がしているだけのものもあるんだよって。