太陽と月と花火と

不確かな記憶の中に生きている

オレンジ色の話

寝る前に灯りを落とす。

蛍光灯を抑え、直視するにはまぶしい電球色が部屋の中に影を作る。

 

温かみがあるって言ったらそれまでだけど、オレンジの光に落ち着いてふとまだ観れない映画のことを思い出した。

 

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メガネを外しピンボケた部屋で旅に出ない理由を考える。

確かに息は詰まりそうだけど、今宵の月は僕を誘ってなんかないし何しろ免許はすでに取ってある。

 

一つ褒められたり

一つ反省したり。

 

 

ずっと好きなものが足りないのだと思ってた。

きっと好きなものだけを詰めていけば埋まるものだと思ってた。

何が好きだっけ、何が嫌いだっけ、何が自分だったけって考え続けてたけど、それよりもただ単純に休むということが必要だったみたい。

 

 

洋画が好きだった。

青色や赤色、真っ黒。色で言ったらそんなイメージでわかりやすくて好きだった。

 

邦画は別に興味がなかった。

ただ単に好きな人の好きなものってだけの興味で一緒に観てた。

洋画で感じたことのない色だった。

ずっとずっと薄暗くて、ずっとずっとたくさんの影を作りながらも温かいオレンジ色だった。

 

落ちたその葉でさえ、君の一部なら。

そう思えていた自分がいたことは、今になってみれば誇らしい。

 2年前もそう書いていたらしい。2年前と違う気持ちの中で思う、今になってみれば誇らしい。と。

そう思えることができるんだろうか。傷つくことがとても怖くなってしまった僕は。

 

自由でいたいくせに邪魔されたくないくせに愛してくれよって思っちゃってるよね。

 

 

 

まだ幸せだったころの話、まだ少し優しかったころの話、これからの希望の話。

 

 

オレンジ色の話。